ドローン用自社製フライトコントローラの開発に着手しました

ciRobotics株式会社とモバイルクリエイト株式会社は、この度オープンソースを活用したドローン用の自社製フライトコントローラの共同開発に着手したことをお知らせいたします。
今回の取り組みは大分県ドローン協議会の補助金を活用したものであり、数少ない国産フライトコントローラの自社開発により、国内メーカーとの連携や汎用性が広がること、また飛行情報等の漏洩防止へのさらなるセキュリティ対策が期待できること、さらにドローンアナライザーの機能向上へ寄与し、安全安心なドローンを大分から全国へ発信することを目指しています。
いまやドローンは、インフラ設備の点検や監視業務、軽貨物の物流にも活用されており、2022年末には第三者上空での補助者なし目視外飛行(レベル4)が解禁され、不具合による墜落のない安全なドローンの導入が叫ばれています。そんな中でフライトコントローラとは、GPSやジャイロ、加速度センサを搭載した、ドローンの挙動をコントロールするいわば心臓部にあたる装置です。日本国内では国産のフライトコントローラの取扱いは非常に少ないため、今後の国内ドローン産業の発展には不可欠な要素であります。
こうしたことから、以下の項目を目標として、自社製フライトコントローラの開発に着手いたしました。

(1)フライトコントローラのカスタマイズに対する汎用性への対応
新たな機能の実装などユーザーからの要望へ対応するために海外製のフライトコントローラを日本仕様にカスタマイズするには、海外にある製造元の企業との要望書の提出などのやり取りが発生し多くの手間と時間を要します。こうした作業を経て日本仕様にカスタマイズをしても、ソースコードなどの知的財産権は所有できず、解析などの研究へ活かすことが困難でした。また、今後参入企業が増加し市場の拡大が予想される関連ソフトウェアやドローン搭載用カメラなどの付属品等、国内メーカーとの連携も視野に入れてフライトコントローラを開発することは、自社製品の市場価値の向上につながります。

(2)飛行情報の漏洩防止へのさらなるセキュリティ対策
当社では、飛行情報がアップロードされるデータセンターを日本へ移管して販売しております。
機密性の高い情報を取り扱う業務(国の防衛、領土・領海安全、犯罪捜査・警備、詳細な3D地図作成のための測量業務など)に対するドローンの活用においては、ユーザーが意図しない外部データセンターとのやり取りや第三者の端末からプログラム更新が行われることによる、撮影データや飛行記録の窃盗及び機体制御乗っ取り等のセキュリティ上のリスクを排除することも、さらなるドローンの利活用促進には必要不可欠であります。ドローンの機体の中には一部国内での取扱いが規制された海外製品もあり、セキュリティ性の高い純国産ドローンの需要はより高まっています。

(3)ドローンの安全性能強化とドローンアナライザーの有用性への貢献
当社が大分県産業科学技術センターと共同で開発した無人航空機性能評価装置のドローンアナライザーでは、ドローンを一定の自由度を与える状態で取付け、フライトコントローラを介して姿勢制御し、ロボット上でホバリング模擬ができるよう研究を進めております。ドローンアナライザーは実飛行を伴わずにドローンの飛行を再現できるため、ドローン故障時の機体動作(フェールセーフ機能)を、機体が墜落して破損するリスク無しに試験を行うことができるなど型式認証の際に要求される安全基準の証明に活用されることが期待されており、今後の安全なドローンの普及に大きな役割を担っていると言えます。 一方でレベル4解禁に伴う第一種型式認証取得の際には高い基準の安全性能をクリアする必要があり、そのためには関連のソフトウェアを含めたフライトコントローラの自社開発が不可欠となります。

これから始まるフライトコントローラの開発を足掛かりに、関連するフライトコードや制御システムであるGCS(グランドコントロールステーション)の自社開発も見通しております。
需要が高まっているセキュリティ性の高い純国産ドローンの製造を通し国内ドローン産業の活性化へ貢献するとともに、大分から全国へドローン事業に関するワンストップソリューションの提供を目指します。